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草木谷

 貧しい農村を豊かにするためには、まず農民自身を奮起させることが必要です。そのためには、「自らがどのように働き、どのような暮らしをすればよいか手本を示すことが必要である」との考えのもと、明治22年(1889年)9月翁45歳のとき、藁、縄、鎌、山刀、米三升五合を老馬に積んで単身入山、山峡の痩地九反歩を耕し三年間貧しい農家経営の実体験をした所です。
 翁の独創的な経済観や教えを求めて、近隣の若者たちがここに集まってきたのもこのころで、翁はその若者たちと、次第に衰退していく農村振興の方途を求め語り合ったのでした。
 記念碑の「寝て居て人を起こすこと勿れ」の文字がうっそうとした樹木の間から漏れる日光に燦燦と輝いています。
 灰塚の松、五時庵、老馬の塚、萩柱など当時の翁の生活の一端を物語るものが今も残されています。
 「草木谷」とは翁が付けた俗称で、正式には山田字市の坪といいます。